Weave Router 2.0の費用52%は自己申告?Clineの既定モデル変更と並走ツール比較
この記事の要点
モデルを作業ごとに振り分けるWeave Router 2.0、Clineの既定モデル変更、Offrun・Pi podの違いを、2026年9月28日〜10月3日の動きで整理します。
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2026年9月28日〜10月3日のOSSコーディングエージェント周辺の動きをまとめた記事です。 作業ごとにモデルを振り分けるWeave Router 2.0、既定モデルが入れ替わったCline、エージェントを並べて走らせるOffrunとPi podを扱います。
今週の結論3つ
1つ目は、Weave Router 2.0の「費用ほぼ半分」は開発元の自己申告で、当チャンネルでは未検証だということです。試すなら個人のリポジトリからが無難です。
2つ目は、Clineを上げる前にモデルを固定することです。v4.1.22では11の接続先で、モデル未固定の場合の既定がGPT-6.1 Solに変わります。
3つ目は、エージェントを並走させる道具は、手元のMacで管理するOffrunと、自前サーバーで隔離するPi podに分かれることです。向く人がはっきり違います。
Weave Router 2.0: モデルを作業ごとに振り分ける
Weave Routerは、Claude CodeやCodexとモデル提供元の間に挟む中継役です。頼みごとが来るたびに、どのモデルに回すかをその場で決めます。難しいデバッグは高性能なモデル、簡単な画面修正は安いモデル、という使い分けを自動で行います。
Show HNの投稿によると、2.0はTerminal Bench 4.0とSWE Atlasで、GPT-6 Astraと同等の合格率でした。費用はAstraの52%と54%、速さは2.2倍と2.5倍とされています。ただし、これらはすべて開発元の自己申告です。比較相手もAstraだけで、HNではGPT-6.1 Solと比べていない点への指摘が出ました。
費用が下がる理由として挙げられているのは、キャッシュの計算です。モデルを替えるとキャッシュを作り直す費用がかかるため、替えて得か損かを見積もり、損な切り替えを避けます。ただ、振り分けと見積もりのどちらでどれだけ減ったかの内訳は、投稿にもREADMEにも出ていません。
前提は、自分のAPIキーを持ち込むBYOKです。導入はnpxのコマンド1行で、Claude Code、Codex、opencode、piにつなげます。Node 18以上が必要です。戻すときは、offを付けて実行すれば設定を残したまま元のつなぎ先に戻り、onで再開、statusで今の向き先を確認できます。
注意したいのは送り先です。npxの既定は、Weaveが運営するホスト版につなぎます。自前でルーターを立てて–localでつないだ場合は、頼みごとがルーターからモデル提供元へ直接届くとREADMEに書かれています。受託や社外秘のコードを流すなら、契約が外部へのコード送信を認めているかを先に確認してください。定額プランの枠、CIなどの自動実行、依頼本文の保存の有無は、READMEに記載がありません。
試し方の提案は次のとおりです。個人のリポジトリで1週間回し、請求額、安いモデルに回った回数、手戻りのレビュー時間、テストが通った作業の数を前の週と比べます。手戻りのレビュー時間が増えたら、次の段へ進みません。
Cline: 既定モデルの入れ替えとConnectors
Clineは、当チャンネルが収集した9月29日〜10月2日の範囲だけで14回リリースされました。内訳は拡張1、デスクトップ版6、CLI 3、SDK 4です。
最も大事なのは、VS Code拡張v4.1.22です。OpenAI、OpenRouter、GitHub Copilotなど11の接続先で、モデルを固定していなければ既定がGPT-6.1 Solに変わるとリリースノートに明記されています。費用も出力のくせも、知らないうちに変わりえます。
ただし、モデルを固定する画面名や設定キー、Solとの単価差は、リリースノートに記載がありません。そこで、代わりの手順を提案しています。
- 上げる前に、今の版番号を控える(戻し方の手順は記載なし)
- 使うモデル名を決めて、チームの手順書に1行書く
- 接続先の利用画面で、モデル別の利用額を控える
- 上げて1週間後、同じ画面でGPT-6.1 Solの行が増えていないかを見る。増えていれば既定が変わった合図
新機能では、デスクトップ版のConnectors(Beta)が目を引きます。外部サービスとの連携を探して入れられます。入れる前に、新しいセッションに足される道具の数を確認してください。道具が増えるほどコンテキストを使うためです。
Offrun と Pi pod: 並走させるのはMacか自前サーバーか
Offrunは、Claude Code、Codex、AGY、Grok Buildの4種類のCLIを1画面で並べるMacアプリです。エージェントごとに別のgit worktreeで作業するため、同じリポジトリでもぶつかりません。会話やメモリは、リポジトリ内の.offrunと.worktreesにファイルとして残ります。料金は無料で、今のサブスクのログインをそのまま使います。対応はApple SiliconのMacでmacOS 14以降です。ソースの公開は確認できませんでした。
気をつけたいのは、上限に達すると枠の残る別のログインへ会話を移す機能です。使う前に次の3点を確かめてください。
- 使っているサービスの規約が、1人1契約やアカウント共有の禁止を定めていないか
- 利用上限を避ける目的の使い方に当たらないか
- クライアントごとにアカウントを分けている場合、別の契約へ作業が流れないか
どの条項に当たるかは当チャンネルでは判断していません。契約形態ごとに原文で確認してください。
Pi podは、piというエージェントを自前のサーバーで、pod という区画に隔離して動かします。前提はメモリ8GBのLinuxとDocker、Node 22.19以上です。ターミナルやiOS/Androidアプリからつなげます。公開は10月1日で、スターは10月4日時点で120。ライセンスはAGPL-3.0なので、改造して外部に提供するならソース公開の義務を確認する必要があります。書き込める範囲と操作の記録が残る場所は、READMEに記載がありません。
MacでClaude CodeとCodexを並べたいならOffrun、チームでpiを使っていてスマホからも触りたいならPi podが候補です。piを使っていない場合、Pi podは様子見で足ります。
気づきツアー: goose
goose v1.53.0には脆弱性の修正(GHSA-6mg9-3cvh-9939)と、MCPのHTTP接続でのリダイレクト先チェックが入りました。深刻度と影響する版は、公開のアドバイザリが見つからず未確認です。HTTPでつなぐMCPサーバーを使っているなら、上げどきです。
4本の比較と落とし穴4つ
エージェントのどこを受け持つかが、いちばんの違いです。本体はClineだけで、Weave Routerはモデルの手前、Offrunは並走の画面、Pi podは動かす場所を受け持ちます。ライセンスはWeave RouterとClineがApache-2.0、Pi podがAGPL-3.0、Offrunは公開未確認です。
落とし穴は4つあります。
- ベンチの読み方: 52%は自己申告で、比較相手はAstraのみ
- 既定モデル: Clineは固定しないと11の接続先でGPT-6.1 Solに変わる
- 送り先: Weave Routerはnpxの既定のままだとホスト版を通る
- 規約: Offrunの自動切替は、複数アカウントの扱いを先に確認する
チームに入れる順番は、個人のリポジトリで1週間、手戻りが増えなければAPI予算に月の上限を付けた小チーム、その次が全社です。各段で見るのは、送り先、契約上の扱い、記録が残る場所の3つです。
当チャンネルの読みとして、モデル選びと並走の管理はハーネス本体の外に出ていくと見ています。次の2週間、Hacker News上位(100ポイント以上)の新顔に、横付けの振り分け型や管理型が1本も出なければ、この読みは外れです。
出典
- Weave Router 2.0 Show HN: https://news.ycombinator.com/item?id=49911500
- Weave Router リポジトリ: https://github.com/weave-os/router
- Pi pod Show HN: https://news.ycombinator.com/item?id=49937304
- Pi pod リポジトリ: https://github.com/pi-pod/pipod
- Offrun Show HN: https://news.ycombinator.com/item?id=49942434
- Offrun 公式サイト: https://offrun.dev
- Cline v4.1.22 リリースノート: https://github.com/cline/cline/releases/tag/v4.1.22
- Cline desktop-v0.0.43: https://github.com/cline/cline/releases/tag/desktop-v0.0.43
- Cline cli-v3.0.68: https://github.com/cline/cline/releases/tag/cli-v3.0.68
- goose v1.53.0: https://github.com/aaif-goose/goose/releases/tag/v1.53.0
- opencode v1.18.34: https://github.com/anomalyco/opencode/releases/tag/v1.18.34
- Anthropic 個人向け規約: https://www.anthropic.com/legal/consumer-terms
- Anthropic 法人向け規約: https://www.anthropic.com/legal/commercial-terms
- OpenAI 利用規約: https://openai.com/policies/terms-of-use
詳しくは動画で
費用の数字の出どころや、確認手順のスライドは動画にまとめています。