OpenHandsの費用可視化とCline MCP認証対応で見るOSSエージェント週次
この記事の要点
OpenHandsの費用可視化とタスク委譲、チーム規約をエージェントに読ませるskills、ClineのMCP OAuth対応をOSSエージェント週次でまとめました。
再生できない場合は YouTube で見る · チャンネル登録
OSS・セルフホスト系のコーディングエージェントを対象にした週次まとめです。2026年8月4日から8月7日の間に動きがあった7件のうち、実際に触る価値があったのは3件でした。OpenHandsの費用可視化、チーム規約をエージェントに読ませるskills集、Clineデスクトップ版のMCP認証対応です。動画を見ていない方にも分かるように、この記事だけで要点が追える形にまとめます。
OpenHandsが実行ごとの費用を可視化
OpenHandsはv1.11.0とv1.12.0を同じ日に出しています。最新はv1.12.0です。今回の目玉はv1.11.0で入った、実行ごとのLLM費用をActivity Logに表示する機能です。しかもそのログはCSVとJSONに書き出せます。
月末に手集計していたチームなら、この機能だけで運用が変わります。効くのは金額そのものより粒度で、どのタスクにいくら払ったかが行単位で残るようになります。
ここから、定額サブスクとBYOK従量課金のどちらが得かという分岐点が実測できるようになりました。出し方は割り算1回です。定額の月額を、CSVから出した1タスクあたりの平均費用で割ると、月に何タスク投げたら定額の方が得になるかの本数が出ます。平均費用は必ず自分の実測値を使う必要があります。環境によって桁が変わるため、他人の数字をそのまま使うと参考になりません。
もう一つの変更が子会話によるタスク委譲です。エージェントが別の会話をローカルにもクラウドにも立ち上げて、仕事を渡せるようになりました。親子関係を保ったまま実行を追えるため、丸投げして迷子になるケースが減ります。ただし費用は素直に足し算で増えます。子会話を3本立てれば、トークンもおおよそ3本分かかります。費用の可視化と同じ週に来たのは偶然ではなさそうです。
同日のv1.12.0では、無料枠で使えるモデル(GLM-5.2、DeepSeek-V4-Flash、MiniMax-M2.7)にバッジが付きました。ここで注意したいのは、新規プロファイルを作ると既定モデルの選択がGLM-5.2に変わる点です。以前と同じ設定のつもりで走らせると、別のモデルが動く可能性があります。
チーム規約をエージェントに読ませるskills集
2つ目はtikalkのadlc-team-skillsです。Hacker Newsで75ポイント、コメント38件を集めました。コーディング規約をドキュメントに置いたまま読まれずにいるより、エージェント側に規約を持たせてしまおうという試みです。
このリポジトリはClaude CodeとCodexの両方向けにskillsを揃えて置いています。取得はgit clone一行で済みますが、注意点があります。Claude CodeとCodexでは、skillsの置き場所もファイルの形式も違います。Claude Codeは~/.claude/skills/配下にSKILL.mdを置く形式、Codex側はAGENTS.mdに規約を書く形式です。中身をそのままコピーしただけでは、片方で読み込まれずに終わります。
もう一つの注意点は、規約を足すほどコンテキストを消費することです。全部載せると、肝心のコードを読む余白が減ります。指摘の多い規約を3つ程度に絞ってskills化し、1週間運用してレビュー指摘の数を数えるのが現実的な進め方です。レビューを複数人で回しているチーム向けの話で、一人で書いている場合は優先度は低くなります。
Clineデスクトップ版がMCPのOAuth認証に対応
3つ目はClineデスクトップ版v0.0.10です。外部ツールを繋ぐ通信規格MCPのリモートサーバーに対して、設定画面からOAuth認証で接続できるようになりました。これまではサービス側でトークンを取得し、設定ファイルに手で貼り付ける必要がありましたが、その手順が要らなくなります。
手順は、設定からMCPタブを開き、サーバーを選んで承認し、ブラウザで許可を出して戻るだけです。認証の状態は画面に表示され、保留のまま止まった場合はその場で取り消して再試行できます。
ただし、全てのMCPサーバーがボタン一つで繋がるわけではありません。リリースノートには、事前にクライアント登録が必要なサーバーがあるという注意書きが付いています。社内サーバーを繋ぐ場合は、先に管理者側の登録要否を確認したほうがよさそうです。
4ツール比較と来週の見立て
今週動いたOpenHands、Cline、OpenCode、Warp Agent CLIを、実行形態・ソース公開・今週の変更・得意領域の4軸で比べると、性格の違いがはっきりします。OpenHandsは自律型でタスク委譲、Clineはデスクトップ+IDEで外部連携、OpenCode(anomalyco版)はCLIで長時間セッションの整合性、Warp Agent CLIはターミナル操作が中心です。Warpのみソースは非公開です。
OpenCodeのv1.18.15では、メッセージの並び順とrevert/forkの参照地点がずれる不整合が修正されています。長く回しているセッションを持っている場合は、上げておく価値があります。Warp Agent CLIはHacker Newsの掲載値で110ポイントと今週最多でしたが、点数の高さとツールの品質は別の指標です。
名前だけ挙げておく枠として、本番環境を読み取り専用で調べるHyperProbeと、AWS BedrockとAgentCoreを扱ったQiitaの記事があります。後者は公式ソースでの裏取りが済んでいないため、内容の紹介は見送りました。
来週の見立てとしては、OSS側の競争軸が単体の性能から、複数エージェントの管理と費用配分に移っていくと見ています。この読みが外れる条件は、今後2週間で主要OSS3本に委譲や並列実行まわりの機能が追加されないことです。外れた場合は次の更新でその旨を伝えます。
出典
- OpenHands v1.11.0
- OpenHands v1.12.0
- Cline desktop-v0.0.10
- OpenCode v1.18.15
- adlc-team-skills
- Warp Agent CLI
- HyperProbe (Launch HN)
動画では、OpenHandsの費用の出し方や、定額とBYOKの分岐点を実際の数字で計算する様子も収録しています。詳細は動画をご覧ください。