Claude CodeのConciseは節約設定ではない、Bedrock二重課金の顛末

· 月曜 Claude Code 週次 #claudecode#ai#bedrock#llm#devtools

この記事の要点

Claude Code週次アップデート(v2.1.236〜241)を整理。組込みConciseは節約ではなく話し方の変更、モデル指定環境変数の使い分け、Bedrock経由の二重課金修正とデータレジデンシー表示の是正を契約経路別にまとめた。

今週の結論、宿題は契約の経路で変わる

6本のうち中身まで踏み込むのは3件、残りは名前だけ押さえれば十分な内容だった。全員に関わるのはConcise出力スタイルとモデル指定の環境変数の2件で、今日からそのまま試せる。もう1件は会社でBedrock経由のClaude Codeを使っているチーム向けで、請求が黙って2倍になっていた期間があったという話だ。個人契約であれば影響はなく、Bedrockでチームを運用している場合だけ経理との突き合わせが必要になる。

8月19日から23日の6本を時系列で

対象は2.1.236から2.1.241までの6本。236では使うモデルを決める環境変数が1つ増えたほか、macOSのサンドボックスにおける読み取り拒否ルールが強化された。237では返事の話し方だけを変えるConciseが組み込みの出力スタイルとして追加された。238は注意が必要な回で、自作の出力スタイルがセッション途中で既定の声に戻ってしまう不具合が修正されている。239は今週もっとも影響が大きい回で、Bedrock経由の二重課金の修正とコスト表示の見直しが同時に入った。240と241は公式の記載がBug fixes and reliability improvementsのみで、掘り下げられる材料がなかった。

Conciseは安くなる設定ではない

この章は全員に関わる話だ。結論から言うと、Conciseは返事の話し方が変わるだけで、料金が減る機能ではない。出力スタイルはClaudeの返事の型を切り替える設定で、v2.1.237でConciseが最初から選べるようになった。公式の説明は「結果から先に話し、前置きと実況を省く。ただし作業は同じだけ丁寧にやる」というもので、省かれるのは前置きと実況であって、調べる手間や確認の回数ではない。試す手順は3つで、claude –versionでv2.1.237以上か確認し、/configを開き、Output styleの一覧からConciseを選ぶだけで終わる。X上ではトークンや料金が減るという読みも出ているが、公式の記載にはトークンや料金への言及はなく、この記事でも確認できていない。節約目的で切り替えると期待とズレるので、自分が読む量を減らす設定だと捉えておくのが安全だ。あわせてv2.1.238で直った不具合も押さえておきたい。自作の出力スタイルがセッションの途中で既定の声に戻ってしまう問題があり、独自スタイルが効いていないと感じていた場合はv2.1.238以上へ上げることで直る可能性がある。

モデル指定が3系統に分かれた

Claude Codeで使うモデルを決める入口が、v2.1.236で3つになった。もともとあるANTHROPIC_MODELと、新設されたANTHROPIC_DEFAULT_MODEL、そして手動の/modelだ。ANTHROPIC_MODELは起動のたびにそのモデルへ固定する環境変数で、/modelで選び直しても次の起動で元に戻る。対してANTHROPIC_DEFAULT_MODELは新しいセッションの初期値を決めるだけの環境変数で、/modelで選び直した結果が優先され、その選択は再起動後も残る。違いは、手で選んだ結果が残るか、起動のたびに消されるかの1点だけだ。使い分けの目安は、チームに配る標準はANTHROPIC_DEFAULT_MODEL、CIやhooksのように毎回同じモデルで揃えたい経路はANTHROPIC_MODELになる。いま自分の環境でどちらが効いているかは、env | grep ANTHROPICで確認できる。落とし穴は2つある。1つは、ANTHROPIC_MODELを設定したままANTHROPIC_DEFAULT_MODELを足しても後者は表に出ないこと。もう1つは、hooksやCIから起動するとそのつど新しいセッションになるため、初期値だけの設定では意図と違うモデルで動く可能性があることだ。SDK経由の呼び出しにどう伝わるかは今週のリリースノートに記載がなく確認できていない。

Bedrock経由で起きていた二重課金

ここからは会社でClaude Codeを使っているチーム向けの話になる。v2.1.239で、Bedrock経由のストリーミングに関する不具合が修正された。応答のContent-Typeヘッダーを落とすプロキシを挟んだ環境では、ストリーミングが成立せず、毎ターン非ストリーミングで処理をやり直していた。その結果、課金されるAPI呼び出しが黙って2倍になっていたという。画面上の動作はふつうに見えるため、気づかないまま請求だけが増えていた可能性がある。該当するのはBedrock経由とヘッダーを落とすプロキシの両方が重なる環境に限られる。心当たりがあるチームは、claude –versionでバージョンを、echo $HTTPS_PROXYでプロキシの有無を、AWSの請求履歴で該当期間の呼び出し件数を確認するとよい。同じv2.1.239で、コストの表示も見直された。処理する場所を米国内に限るデータレジデンシー契約には1.1倍の割増があるが、これまで/costやステータス行、–max-budget-usdの金額にその割増が反映されていなかった。今週から実額に近い表示になったということで、値上げではなく表示の是正にあたる。金額で予算の上限を決めていた場合、これまでは割増分だけ甘い上限で運用していたことになるため、上限を引き直す必要がある。

名前だけ押さえておきたい7件

残り7件は口頭で深く扱う内容ではないが、機能としては押さえておきたい。macOSのサンドボックスでは、**/.envのような読み取り拒否ルールが許可領域の中でも優先されるようになり、ファイル名を変えても抜けられなくなった。readlineのキー操作を選べるようになり、keybindingFlavorをreadlineにするとCtrl+Wが直前の空白まで削除する挙動に変わる。既定のclassicのままなら変化はない。単語移動のキーもBash流に合わせられるようになり、Alt+FやCtrl+右で単語末尾に止まり、Alt+Dで削除できる。複数セッションを並べて使っている場合は、別のセッションが次に暇になったタイミングで一度だけ通知が届くようになった。v2.1.239からはWindowsでもセッション間のメッセージ送受信が使えるようになっている。放置した作業は/goalが30分後にチェックインし、以降1時間、2時間とバックオフしながら見に行く。最後に、Escで操作を止めたつもりが、あとから送り直すと同じ操作が二重に走ってしまう問題も修正された。

契約経路ごとに変わる宿題

同じClaude Codeでも、契約の入口によって今週の宿題は変わる。個人のサブスクリプションで使っている場合、影響するのはConciseとモデル指定の環境変数だけで、請求に関わる変更はない。APIを直接叩いている場合も同様で、宿題は環境変数の整理にとどまる。Bedrock経由でチームを運用している場合は、過去の請求履歴を照合することが今週いちばんの宿題になる。データレジデンシー契約の場合は、コスト表示が1.1倍になったことを踏まえて金額の上限を引き直す必要がある。なお、他社の同時期のリリースとの比較や、SWE-benchやTerminal-Benchといったベンチマークの順位変動については、今週の6件のリリースノートに該当する記載がなく、この記事でも扱っていない。

まとめ

今週の6リリースを振り返ると、機能を足す話より、使った分の請求を正しく見せる話に比重が寄っていた。全員がやることは、Conciseを試すことと、env | grep ANTHROPICで環境変数を確認することの2つ。Bedrock経由でチームを運用している場合は請求履歴の照合、データレジデンシー契約の場合は金額の上限を1.1倍で引き直すところまでが今週の宿題になる。

出典

動画で詳しく見る

今回まとめた内容は、動画では図解つきでさらに詳しく解説している。

https://youtu.be/EWu8LVG9Dxs